水平思考の世界
エドワード・デボノ著の「水平思考の世界」を読んでいる。すでに絶版になっているのでネットで中古本を探して入手した。
この本に、はまった。
ところで水平思考とは何???
まず水平思考に対するものとして垂直思考がある。
論理的思考、分析的思考などが垂直思考である。この垂直思考は、非常にはっきりした方向線をたどっていて上がったり下がったりしながら、直進する。
これとは全く異なった思考法がある。
一箇所に穴を掘り進んでゆくと別の場所にもうひとつの穴を掘ることができなくなる。垂直思考は、このように同じ穴を掘ることであり、水平思考は、別な場所にも穴を掘るという考え方である。
いわば水平思考は、一定の方向に向かったパターンを離れて、別のいくつかのパターンへ移動することを求めている。
この本の出だしで面白い問題がある。
昔、一人のロンドンの商人がある金貸しから膨大な借金をして困っていた。もし借金が返済できないときは監獄に放り込まれるという時代である。年老いた醜い金貸しは、その商人の美しいティーンエージャーの娘に目をつけて、ある取引を提案した。もし娘をくれるなら、借金を帳消しにしてやろうというのである。
途方にくれる商人と娘を前にして、金貸しは運を天に任せようといって一つのくじを作った。大きな空の財布の中に黒白二つの小石を入れるから、娘にその一つをつかみ出せといった。もし娘が黒い石を選べば、娘は金貸しの妻となり借金は帳消しにする。
また白い石を選んだときには、娘は今までどおり父親と一緒にすんでいておく、借金も帳消しにしてやろうというのである。娘が石を選ぶのを拒めば、父親は監獄送りになり、娘はたちまち食べて行けなくなってしまう。商人は仕方なしにこれに同意した。
そこで金貸しは、三人が立ち話をしていた商人の庭の、小石を敷き詰めた小道から、二つの小石を拾って財布に入れた。ところが、娘は金貸しが財布に入れた石が二つとも黒い石だったのを、めざとく見つけて、思わずぞくっとしてしまった。金貸しは父親と娘に運命を決める石を選べといって容赦なく迫った。
こうした事態で、もしあなたが不幸な娘だったら、どうするだろうか?
垂直思考で考えると次の3つの可能性が考えられる。
1.娘が石を選ぶのを拒否する
2.財布の中を開け、二つの黒い石を示して、金貸しの欺瞞をあばく。
3.黒い石を選んで、父親を監獄送りから救うために自分を犠牲にする。
だがいずれにしても、これらの方法は娘にとってはあまり役に立たない。というのは、石を選ぶことを拒否すれば父親は監獄行きとなり、黒い石を選べばその金貸しと結婚しなければならないからだ。
垂直思考をする人は、娘がいずれにしても石を選ばなければならないということにこだわっている。
これに対して、水平思考をする人は、財布の中に残る小石そのものに目をつける。垂直思考をする人が、事態を冷静に見渡し、綿密に検討し、論理的に考えを進めるのに対して、水平思考の人は、事態を別の角度から、全く違ったものの見方を求めるものである。
この娘は、財布の中に手を入れて、小石を一つ取り出す。そして小石が黒か白か確かめずに手から滑り落とし、庭の小道の小石の中へ落としてしまう。そして「私って不調法ね。でも大丈夫。財布の中に残っている小石を見れば、今落とした小石の色がわかりますものね」と言った。
もちろん、財布の中に残っている石は黒だから、娘が最初に取り出した石は白ということになる。金貸しもあえて自分のやったごまかしを認めるわけにはいかないだろう。
このようにして娘は、水平思考をすることによって、絶体絶命と思われたピンチから脱出して、きわめて有利な立場に立つことができた。
この場合、金貸しが正直な人間であって、口約束どおり白と黒の小石を1つずつ財布の中に入れたときより、問題の解決はずっと楽になる。というのは、白と黒の小石の場合は、ピンチを脱せられるチャンスは、五分五分だからである。
こうして娘は父親と一緒にいられて、しかも、借金も帳消しにされるのは確実である。
これが水平思考の例だが、いかがだっただろうか。
とても面白い発想法ではないだろうか。
Posted by cybermax1 at 00:55
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お薦めの本
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これいいですね。
大変参考になりました。
確かに別の角度から物事を見るというのは大事ですよね。
場合によってはその考え方では、どういい方向に持っていっても結局はそれほどいい結末を迎えることはない、という初めからダメな結末が見えてる発想もあるでしょうし。そうすると別な角度からの発想が必要になってくる。物事の発想のスタート地点自体を変えるイメージ。
例えば、広い土地がありその中で金塊が眠ってる場所があり、ひたすら同じ場所を掘ってると、みつかる可能性も低い。
確立で言えば、一つの場所にこだわらずいろんなところを掘ったほうが見つかる可能性は高いかと思います。
ただ、どのくらいまでその発想で掘り続けるかというのも瞬時に判断する必要が大事ですよね。見切りをつけるタイミングというか。
今の時代スピードが命のため、仮に当初とは違う別な発想をしたとしても、その発想もまた正しいかどうか分からない。
その見極めを瞬時にし、だめなら次の発想へ。という瞬時の判断、方向転換。伸びてる会社は、新規の事業部を作るのも早いが、採算性がないと判断すると潰すのも早いですもんね。
今まさに水平思考で調べ物してたんです。内容が複雑で分からなかった授業でしたが、これ見てとても参考になりました。分かりやすいですし。
まぁ、よっぽどの頭のキレる人でなければ、水平思考にたどり着けませんね。僕なら暴露しちゃってたかも(笑)
高い人, 私はあなたの場所を, 持っているよい日を愛す る